ヨンパチ学問ニッキ

日々の耳学問メモ。BBC RadioとCBC Radioで聞いたものの記録。

無限のタマネギとしての宇宙

微妙に二日酔い。あまり飲まなくても翌日に響くようになったのも、老いの兆候だろか。

論文読みに集中できないので、イタロ・カルヴィーノなぜ古典を読むのか』をぱらぱらと。そしてこの一節をいたく気に入る。


ガリレオ・ガリレイ教皇庁の[異端問題をあつかう]検邪聖省とうまくいってなかったころ、パリにいたひとりのガリレオ支持者は、太陽中心説について、なかなか示唆に富んだひとつのモデルを提案していた。すなわち、宇宙はタマネギのように作られていて、「これを包んでいる百の薄い皮が大切な芽を保護し、これを保たせる。というのも、あたらしい千万のタマネギがこの芽から、それぞれの精を汲み上げるのだから。...タマネギにとって胚芽はこの小さな世界の小さな太陽であり、集団ぜんたいの成長作用に有益な化学物質をあたため、ぜんたいに栄養を補給するものである」。(98頁)

政治思想の論文でも、使うメタファーをすべて野菜にしてみたらどうだろう。例えば、「アイデンティティの曖昧さというものは、トマトを野菜と考えるか、果物と捉えるかということに必然的に恣意性が伴うことに結びついている」とか。おいしそうな論文に。

Elephant

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きれいな映像にグッドルッキンな男の子たち。でもすっかり参る。岡崎京子の「リバーズ・エッジ (Wonderland comics)」のような。ううう。弱っているときに見るべき映画ではない。調子のいいときでもへこみそうだけど。